この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
囚われの城
第2章 主、桐原 黎明
「食事を済ませたら玄関ホールで主人を迎えるんだよ。立ってるだけでいい。何が起きても、声を上げたり動いたりしてはダメだからね」
「はい」
食事を終え、玄関ホールへ向かった。
そこには、50名近いメイドが並んでいた。
圧倒されながらも龍に手を引かれ、瑠菜はミカンの横に並ばされた。
「ミカンに教えてもらうんだよ。俺はここにはいられないから」
「え……龍さんいないんですか?」
「後で来るよ。さっき言ったこと、忘れないでね」
龍は瑠菜の手を握り、にっこり笑って歩いて行ってしまった。
瑠菜は急に心細くなり、下を向いた。
「瑠菜?」
「……怖い」
「大丈夫だよ。あたしもできたんだもん」
「うん……」
ミカンに励まされ、瑠菜はしっかりと立った。
そして、重厚な玄関が開けられ、数人の若い男が入ってきた。
同時にメイドたちが頭を下げる。
横目で回りを確認しながら、瑠菜も遅れないように頭を下げた。
「うっわ!なんだよこれ。レイの趣味?」
「あぁ。お前ら好きだろ、こういうの」
「よくわかってんじゃねえか」
先頭を歩くのは、金髪でサングラスをかけた、黒いスーツの男。
桐原財閥の次期頭主、桐原黎明だ。
ガラの悪い男を引き連れ、その男らはメイドたちを舐めるように見た。
「やりてえならやればいいさ。こいつらにはそういう教育をしてあるんだ」
黎明はミカンを引き寄せ、後ろからミカンの胸を揉んだ。
瑠菜は目の前の出来事に困惑し、ミカンの虚ろな瞳に恐怖を感じた。