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囚われの城
第2章 主、桐原 黎明


「食事を済ませたら玄関ホールで主人を迎えるんだよ。立ってるだけでいい。何が起きても、声を上げたり動いたりしてはダメだからね」

「はい」


食事を終え、玄関ホールへ向かった。

そこには、50名近いメイドが並んでいた。

圧倒されながらも龍に手を引かれ、瑠菜はミカンの横に並ばされた。


「ミカンに教えてもらうんだよ。俺はここにはいられないから」

「え……龍さんいないんですか?」

「後で来るよ。さっき言ったこと、忘れないでね」


龍は瑠菜の手を握り、にっこり笑って歩いて行ってしまった。

瑠菜は急に心細くなり、下を向いた。


「瑠菜?」

「……怖い」

「大丈夫だよ。あたしもできたんだもん」

「うん……」


ミカンに励まされ、瑠菜はしっかりと立った。

そして、重厚な玄関が開けられ、数人の若い男が入ってきた。

同時にメイドたちが頭を下げる。

横目で回りを確認しながら、瑠菜も遅れないように頭を下げた。


「うっわ!なんだよこれ。レイの趣味?」

「あぁ。お前ら好きだろ、こういうの」

「よくわかってんじゃねえか」


先頭を歩くのは、金髪でサングラスをかけた、黒いスーツの男。

桐原財閥の次期頭主、桐原黎明だ。

ガラの悪い男を引き連れ、その男らはメイドたちを舐めるように見た。


「やりてえならやればいいさ。こいつらにはそういう教育をしてあるんだ」


黎明はミカンを引き寄せ、後ろからミカンの胸を揉んだ。

瑠菜は目の前の出来事に困惑し、ミカンの虚ろな瞳に恐怖を感じた。


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