この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
囚われの城
第10章 「城へ戻ります」


「あの…私も出ましょうか…」

「いえ、あなたは残ってください」


校長は元の席に戻り、保健の先生を隣に座らせた。


「驚かせて悪かったね。これからは、正直に話して欲しい。杉浦さん、きみは、桐原財閥を知っているね?」

「…はい。あたしは、桐原財閥に売られた身です」


瑠菜は今のことで校長を信用し、ハッキリと言った。

それを聞いた校長は、メガネを外して小さなため息をついた。


「母親に借金があり、返せなくなって、あたしが売られたんです。屋敷のメイドとして、小学校を卒業してすぐ…。でも、なぜかご主人様が解放してくれました」


現実として受け入れがたい話なのに、校長は目を逸らさず聞いてくれた。


「どこに売られたんですか?具体的に仲介をした人を知っていますか?」

「その辺りのことは詳しくわかりませんが、家に頻繁に男の人が来て、母と話をしていました」

「ほう…」

「ある日突然、母に連れて行かれた場所には…」


瑠菜は日向と出会った時のことを思い出して言葉が詰まった。

急に脱がされ、日向に持ち上げられ、恥ずかしい部分をさらけ出され…。

グッと瑠菜の下腹部が反応する。


「話したくないことは無理に言わなくていいですよ」


優しく言葉をかけるのは、眉根を寄せて苦しそうな顔をする、保健の先生だ。

瑠菜は一呼吸置いて、校長の目をまっすぐに見た。


「日向という人が仲介をしていました。そして桐原財閥のご主人様…黎明様の下でメイドとしてお仕えすることになりました」

「戸惑いませんでしたか?」

「それは最初は戸惑いました。とても怖かった…でも、龍さんという、私を支えてくれる人がいて、いろいろと知っていきました。そして…」


私は屋敷で処女を失いましたーーー

それは言えなかった。

でも、話を聞いていた二人は、何かを察したようだ。


「あなたの話は信じ難い。しかし、なぜ父親は守ってくれなかったのか…」

「…え?」


父親って、あたしの…?

そんなの、誰だかわからないってお母さんも言っていた。

守ってくれるはずなんてない。


/138ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ