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囚われの城
第10章 「城へ戻ります」
何度話しても理解してくれない龍。
瑠菜は龍に対する怒りを持ちながら学校へ足を運んだ。
でも、不安な気持ちだけを抱えて学校へ行くより、ずっと心が楽だった。
とある雨の日、学校へ到着すると、上履きの中にコンドームが入っていた。
瑠菜はそれを捨て、何事もなかったかのように履いて教室へと向かう。
教室に入り、机に教科書を入れようとすると、つっかかって入らない。
奥に手を入れると、紐のようなパンツが山ほど出てきた。
瑠菜の反応を見ていた女子が笑う。
瑠菜はそれをゴミ箱へ投げ捨て、改めて教科書を机に押し込んだ。
体育の時間が終わり、うがいをするため蛇口に口を近付けると、思い切り蛇口を捻られ全身ずぶ濡れになった。
「きゃー!ちょっと杉浦さんっ何してんのー!」
「…」
瑠菜はただ黙っていた。
あと少し…。
あと少し我慢すれば、ここから解放される。
あたしが屋敷に戻れば、ご主人様が守ってくれる。
イジメに耐えられるのは、その思いがあったからだ。
大丈夫…。
あと一週間だ。
ーーーこの日の放課後、瑠菜の身に事件が起こることなど、まだ知るよしもなかった。