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囚われの城
第10章 「城へ戻ります」
さまざまな部活の部室が並ぶ塔は、サッカー部の部室を除いて真っ暗だった。
瑠菜はサッカー部の部室の前で深呼吸し、トントンとノックをして中に入る。
「ユズ?…あれ?」
部室にユズはいない。
まだ外にいるのかな?
そう思って振り返ると、瑠菜の体が部室の中に突き飛ばされた。
「こんばんわー」
「へぇ。これが噂の?」
「こんなガキが本当に神技なのかよ」
部室に入って来たのは、3人の男。
彼らは部室に入るなり、ドアに鍵をかけた。
ユズ…ユズは…。
瑠菜の頭はパニック状態で、ただ怯えた。
「紫苑にやったみたいに俺らにもやってよ」
「…い、いやです」
「いいじゃん。紫苑はひいてたけど、俺らは大歓迎だからさ」
「そうそう。思いっきり性奴隷の力見せていいんだよ」
ドクッ!
瑠菜の下腹部が脈打つ。
怖いし、好きでもない人だし、瑠菜は本当に嫌だった。
男3人が近付いてくる。
サッカーのユニフォーム姿の男は、髪の毛先が茶色くてピアスをしている。
制服の学ラン姿の男はツーブロックで筋肉質なスポーツマンタイプで、ネームプレートに松田と書いてある。
もう一人の爽やかそうな男は…?
「あなた…」
「なに?俺のこと知ってる?」
ユズが好きって言ってた人だ…。
確か、名前はヒロト…。
そのことを言おうかと思ったその時、ヒロトが瑠菜の首筋に顔を埋めて覆い被さった。
「やっ!」
「くくっ…」
ヒロトは瑠菜の首元ですーっと匂いを嗅ぐ。
「なんだ?お前、わざわざシャワー浴びてきたの?」
「マジか!ヤられる気、マンマンだったんじゃん!」
「ユズに聞いてたのか?」
「お前、ユズちゃんに頼んだの?」
ヒロトがピアス男に聞かれ、あぁ、と普通に答えた。
「付き合ってってうるせーから、じゃあコイツを呼び出してくれたら付き合ってやるって言ったんだ」
「ヒロト彼女いんじゃん」
「ヤリ捨てかよー!サイテー!」
「お前も同じだろうが」
瑠菜は、言葉を失った。