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囚われの城
第10章 「城へ戻ります」
「紫苑が言ってた意味わかったわ」
「だな。でもセフレとしてはいいかもな」
制服にこびりつく白い液体。
捲れたスカート。
はだけた胸。
ーーーカシャッ!
「誰にも言うなよ?写メバラまかれたくなきゃ」
「ボイスレコーダーもあるしな。入れてくださいってちゃーんと録れてた」
ヒロトと松田が部室を出る。
瑠菜は動けなくて部室のベンチでただただ涙を流す。
ヒロトと松田が帰ったことを確認すると、ピアス男が瑠菜を抱き起こした。
「あいつらお前のことあんなこと言ってたけど、俺、お前気に入ったんだよな」
「…」
「なぁ、付き合おうぜ」
瑠菜はぼんやりする頭でピアス男を見た。
真面目な顔だった。
「あなたと付き合って…どうするの?」
「…どうするって…優しくする。今度は二人きりで」
瑠菜は目をつむった。
目に溜まった涙が、ぽろっとこぼれる。
「お断りします。あたしは、あなたの性奴隷ではありません」
「…チッ」
瑠菜がきっぱりと断ると、ピアス男はドアを思い切り締めて帰って行った。
瑠菜は丸くなって泣いた。
自分が許せなかった。
嫌なのに、怖かったのに、刺激を求めて声を出して…。
自分が生きていることが恥ずかしく感じた。