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囚われの城
第10章 「城へ戻ります」
夢を見ていた。
ふんわりする温かさの中にいた。
ーーー瑠菜!
必死な顔をして、どうしたんだろう?
ーーー瑠菜!瑠菜!
顔がぼんやりしている。
そんなに心配してくれるの?
大丈夫、あたし、生きてるよ…。
ーーーごめん、守ってやれなかった。
その人は、ぎゅーってあたしを抱きしめた。
それは、下心のない、優しい力だった。
どうしてだろう。
すごく、懐かしい感じがする。
ーーー瑠菜、俺が悪かった。
ねぇ、あなたは…。
あなたは、誰…?