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囚われの城
第4章 新しい世界
カメラとモニターの電源が切られ、ステージに黎明が上がる。
黎明はいつになく険しい顔をしていて、エリとリナに入っていた棒を乱暴に引き抜いた。
「……リナとエリはこれから移動する。以上、仕事に戻れ」
リナとエリは泣き始めた。
これからどうなってしまうのか瑠菜は気になったが、メイドたちが退出し始めたので結末はわからない。
部屋を出た瞬間、他のメイドたちはクスクスと笑いながら二人の話をしていた。
「バカだね、ごまかせばよかったのに」
「付き合ってるって認めた瞬間離れ離れになるのはわかってたはずでしょ?」
「それ程好きだったんじゃない?」
「えー?理解できないなぁ」
「屋敷で恋愛はタブー。理解なんてしなくていいのよ」
屋敷で恋愛はタブー……。
瑠菜はエリとリナの行く末が心配だった。
これを最後に二度と会えなくなると、黎明は言った。
それは一体、どういうことなんだろう。
「瑠菜、ちょっと、瑠菜?」
「え、あ!なに?」
「龍さんが呼んでる!どうしたの?大丈夫?」
「大丈夫!ありがと!」
ミカンに呼ばれふと我に返る。
ぼーっとしていた。
龍の部屋へ行かなきゃ!
通い慣れた廊下を進み、ドアを開ける。
「お疲れさん。入りなよ」
「失礼します」
「さっきのこと、初めてでびっくりしたでしょ」
「はい……エリさんとリナさんはどうなるんですか?」
龍はベッドに横になり、天井を見上げる。