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囚われの城
第4章 新しい世界


「リナとエリがお互いを意識し始めたのは、主のある命令があったからなんだ」


今から1年程前だっただろうか。

主はエリとリナを呼び出した。

その日、桐原財閥と付き合いのある社長が屋敷に来ていて、メイド同士の絡みを希望した。

つまり、レズプレイ。

リナとエリは話したのも初めてだった。

二人は自分がされると気持ちいい部分を、お互いに責めた。

社長は満足し、主とある契約を交わそうと決心した。

社長はエリとリナを気に入り、頻繁に屋敷へ訪れた。

しかし買い取る程の経済的余裕はなく、わざわざ遠くから通っていた。


「リナとエリはサービス精神旺盛で、社長により楽しんでもらえるように二人で研究したんだ。そのうち、特別な感情が芽生え始めた」


いつしか二人は社長の前で見世物としてのプレイをするだけでなく、お互いの部屋で愛を確かめるために重なるようになっていった。

リナはこの屋敷に入って長い。

今まで恋仲となった人間がどんな最後を迎えたか、知らないわけではなかった。

エリはリナと一緒にこの屋敷を出て、ともに暮らすのが夢だと口癖のように言っていた。


「昨日の夜中、廊下でリナとエリがキスしているのを見たんだ。何を言っても決意は変わらなかった。俺は何もメイドたちの敵というわけじゃない」

「それでリナさんを部屋に呼んで話を聞いていたんですね」

「そう。でもリナの決心は固かった。こらからどうなろうと、別れる気はない、と」

「二人はこれから……どうなるんですか?」


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