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囚われの城
第5章 おもてなし


次の日、また京太が来た。

今日は黒渕メガネをかけている。


「瑠菜さん、おはようございます!」

「おはようございます」

「昨日はすいませんでした!」

「あ、いえ……」

「それでは、始めましょう!」


京太は瑠菜を見ないようにしどろもどろしながら、テーブルに教科書を置いた。

まずは数学の教科書。

瑠菜が椅子を運び、京太がお礼を言って腰かける。


京太の授業はわかりやすかった。

京太の経験を活かし、わかりにくい部分を丁寧に教えていく。


「よし、じゃあ10分休んでから次は英語にしましょう!」

「はいっ!」

「瑠菜さんは飲み込みがが早いからたすか……ぶっ!!」

「えぇ?!京太さん?!」


京太は突然鼻血を吹き出して倒れた。

瑠菜をなるべく見ないようにしていたのだが、一瞬の気の緩みで見てしまったらしい。


「あーあ。やっぱりか」

「ごっ、ご主人様!」


焦る瑠菜の後ろにいつの間にか黎明が立っていた。

黎明はしゃがんで京太を見下ろすと、顔にタオルを押し付けた。


「いい加減慣れろ。やっぱお前チェリーだろ」

「ひっひがひまふ!」

「……なんだって?」

「ぷはっ!違います!桐原さん、僕のこと見下してるみたいですけど、僕にだって彼女がいたんですから!」

「いた、んだ。ふーん」

「むむっ……確かに性格の不一致で別れましたが……でも、チェリーはやめてくださいよ!」

「ふーん。じゃあ、プロ。お手並み拝見。来い」

「へ?」

「瑠菜、先生を連れて来い」

「あ、かしこまりました!」


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