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囚われの城
第2章 主、桐原 黎明
瑠菜が目を覚ますと、そこは白いベッドの上だった。
誰かに頭を撫でられている。
静かに目を開けると、くっきり二重で丸い目をした少年がいた。
「瑠菜ちゃん、だね?」
「あ……はい……」
「俺は桐原龍。しばらくの間、俺がきみの世話をするからね。よろしく」
「あ、よろしくお願いします」
「ふふっそんなに怯えなくていいよ。俺のことは龍って呼んでね」
龍は柔らかい笑顔を浮かべ、瑠菜の髪を優しく撫でる。
香水ではないさわやかな香りが、龍が動く度に香る。
「じゃあ、まずこの部屋を説明するね」
龍は瑠菜の手を引いてベッドからおろした。
瑠菜が眠っていたベッドを囲うように、レースの幕が張ってある。
ベッドの横には、3段の引き出しが置いてあった。
「この引き出しは好きに使うといいよ。このベッドが瑠菜ちゃんの部屋だと思って」
「部屋、ですか」
「ちょっと狭いけど、ほら、仲間がいつも側にいるからさ」
龍が指をさすと、そこには瑠菜のベッドと同じようなベッドがずらっと並んでいた。
10個もある。
「ここは15歳までの子がいる部屋だよ。ちなみに今のところ瑠菜ちゃんが最年少」
「あっちの部屋は何ですか?」
「あれはお風呂とトイレ。いい?遊戯の後は必ず体をきれいにするんだよ。主人はそういうのを気にするから」
遊戯……?
瑠菜は疑問に思ったが、口には出さず龍に付いて行った。