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囚われの城
第7章 ―――ミカンの見た世界


その後与えられた食事は、食べ物とは思えないようなドロドロした液体だった。

むせて吐き出せば、漏斗を口に入れられ、飲み込むまで流し込まれる。

そんな様子を見ながら、ユイさんは白戸と一緒にパスタやピザを食べている。


トイレに行きたいと言えば、ビニール袋を持ってきてそこにさせる。

採取した尿を頭からかけられた時には、死にたくなった。

同じ体勢でやっとのこと眠りにつくと、急に白戸がムチで叩いてくる。

寝ている暇もなかった。

白戸は連日の忙しさ今回の興奮で、目が冴えて仕方ないらしい。


翌朝、白戸はギラついた目で不気味に微笑んでいた。


『まず選挙をしようか』

『選挙……?』

『一人に、俺の先輩の相手をしてもらいたいんだわ。40過ぎで独身なんだけど、外見がアレで今まで彼女いたことねぇんだよね』


そう言うと、白戸はスマホの画面を見せてくれた。

おもてなしの心を叩き込まれたあたしたちでも、できるなら避けたいと思うような人物だった。

外見だけでなくて、なんていうか……

白いTシャツの脇と首周りが黄ばんでるし、ハゲ散らかした頭にはフケみいな白い粉がついてるし、画面上で笑う彼の歯は黄色い。


『一人一人聞いていこうか。じゃあまず、お前は?』

『あ、あたしは……』



最初に指名されたのはあたしだった。

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