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囚われの城
第7章 ―――ミカンの見た世界


『失礼するよー』

『あ、先輩、お疲れっす』


まるでドアの向こうで待っていたかのようなタイミングで、先輩とやらが入ってきた。

同時に、同じような外見の二人の男も入ってきた。

外見だけがネックならまだいい。

でも、そうじゃない。

入ってきた瞬間の、鼻をつくようなツンとした匂い。

そして、その身なり。

3人とも白いTシャツなんだろうけど、伸びてるし黄ばんでるし醤油みたいなシミはあるし。

同じ部屋にいるのもキツイ。

逃げ出したくなった。


『先輩は相手を思いやる気持ちが強くて、お前らが風呂に入ってないから、相手が気を遣わないように自分らも風呂断ちしてくれたんだよ』

『このクソ暑い中、1週間も風呂に入らないで居てやったんだぞ。昨日行った風俗の女なんて、泣きながらヤってくれたもんな』


背筋に冷たい汗が流れた。

気持ち悪い……。

胃の中は空っぽなのに、胃液が逆流してきそうだった。


『先輩にはお世話になってますんで、2時間だけ女一人貸しますね。俺は別室にいますんで』


そう言い残し、白戸は部屋を出た。

3人のブタは、ユイさんに覆い被さってやりたい放題にやっていた。

ユイさんは喉が潰れる程に叫んでいたけど、ガッチリと体を抑えられ、逃げられなかった。

それを見ていたメイドの一人が、狂ったように笑っていた。


『うー。暑いなー』

『汗止まんねえな。拭いてほしいくらいだ』

『こいつらに掃除させればいいんじゃねえの?』


油断していたあたしたち傍観組は、体をこわばらせた。

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