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囚われの城
第8章 オンナ


辺りはまだ暗い。

メイドたちも静かだ。

ふと時計を見ると、まだ12時を回ったばかりだった。

日向は瑠菜の細い手首を強く掴み、引きずるようにして瑠菜を連れ出した。


『どこに行くんです?』

『お部屋をひとつ借りましょう。誰かさんに監視されては嫌ですからね』


日向は1階の玄関正面にある扉に入り、使用禁止と書かれたドアの前に立った。

ここはいくつもの個室がある、客人を接待する部屋。

ミカンが接待しているのを瑠菜が初めて見たのも、このフロアだった。

黎明の説明では、個室には必ずカメラがあると言っていた。


『この使用禁止の部屋はなぜ使用禁止かわかりますか?』

『設備が古くて物置として利用しているからと説明を受けています』

『なるほど……』


フンと鼻で笑った日向は、ポケットから鍵を取り出して使用禁止の部屋を開放した。

初めて中に入った瑠菜は、その設備の豪華さに目を見開く。

このフロアの別の部屋に比べて広く、ガラス張りのバスルームは異国の大浴場のようだ。

ふかふかのベッドは純白で統一され、ベッドの横にはいろいろなボトルが置いてある。


『物置というよりは、思い出を置いている感じなんでしょうね』

『……え?』

『さぁ、せっかくの大浴場があるんですから、入ってきてください』


日向はドアを締め、内側の鍵を2つかけた。

隣には長身にスーツを着こなして、どことなく冷たいような笑顔の日向。

瑠菜は日向に促され、バスルームの扉の前に立った。


入ってきてくださいって言われても……。

刺さるような鋭い視線を投げかけられ、瑠菜は震える手でメイド服に手をかけた。

バスルームを仕切る壁はガラス張り。

どうせなら一緒に入った方が気が楽なのに……。


『すごっ……こんなに豪華なんだ……』


自分の気を散らすために、裸になった瑠菜は浴場を見渡した。

シャワーを浴び、体を清める。

その間も鋭い視線を感じ、なかなかスムーズに動けない。

シャンプーを流すため目を閉じた時、突然電気が消えた。

焦って振り返ると、ふっと人間の肌の感触がした。


『このままじゃいつになっても始められませんよ』

『……っ?!』

『手伝ってあげます』


耳元で響く重低音。

背後から日向が瑠菜の髪に触れる。


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