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囚われの城
第8章 オンナ



日向は瑠菜の花びらを押し広げ、いとも簡単に蕾を探し出した。

人差し指でぐっと押しながらグリグリと指を回す。

その動作は、洗うと言うより愛撫そのもので、瑠菜は結んだ唇から声を漏らした。


『息が荒いようですね』

『……んっ』


日向は瑠菜の反応を楽しむと、シャワーを頭から浴びせさせた。

突然熱いシャワーを浴びせられた瑠菜は、驚きで体を硬直させた。

それに構わず、シャワーで瑠菜の体についた泡を流していく。

シャワーの熱とは別の体の火照りに、瑠菜自身気付いていた。


『……?』

『あっ……』

『これはいい……まさかここまでとは思いませんでした』


日向は突然笑った。

瑠菜は脚を閉じ、暗闇の中で顔を真っ赤にする。


『今のだけで感じたんですか。くくくっ……あなたも実は好きなんですね、こういうコト』


悔しかったけれど、瑠菜は何も言い返せない。

自分でも抑えられない。

どうして気持ちが高ぶるのか。

どうして反応してしまうのか。


ここに来た時、確かに感じた軽蔑にも近い思い。

しかし今は、あのどうしようもなく恥ずかしいメイド服も普通に着て、男女の情事さえ目を逸らさずに見ていられる。

瑠菜は胸の中のモヤモヤをなかなか言葉にすることができず、静かに涙をこぼした。

日向が消した電気により、瑠菜の涙は暗闇に飲み込まれた。

大丈夫……。

泣いてもどうにもならない。

だったら気付かれないほうがいい。

瑠菜は息を殺して涙をこぼしていた。


『それより、あなたは龍と主の裸を見たことは?』

『え?……えっと……』


突然の日向の問に、瑠菜は頭をフル回転させる。

ないような気がするけど……。


『質問を変えましょうか。彼らの体に棲む彫刻を見たことはありますか?』

『……?』

『刺青のことです』

『あ、龍さんの刺青……チラッとは……
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