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優しいヒトに虐められてます。
第7章 おねだり
ハルはえっちな気分を壊すことに成功していた。
トラウマになるようなあの光景を思い出すだけで
恐怖が込み上げてくる。

当然、ハルのクリトリスからすれば
そんな恐怖が込み上げてきたら
興ざめも甚だしいところだろう。

勝った。
これで私はあんなことしないで済むし
逆にトウキくんを好きにできる。
ふふふ。

んんっ。
ハルは感じそうになり、もう一度
トラウマになった、あの昆虫が
顔面に飛来してきた時のことを思い浮かべた。

「わかったよ、ハル」
突然、静かだった大津川が耳元で語り掛けてきた。

「ねえ、ハル。もう変なこと考えるのはやめて。
僕だけを見て?」
大津川がハルの顔を後ろに振り向かせる。
彼がまっすぐに顔を覗き込んでくる。

近い近い!
「ちょっ、ちょっと離れて」
「いやだ。僕だけを見て。
僕のことだけ考えて?」

「な、なに言ってるの」
「ねえ、お願いだから。僕にはもう
君しか見えないんだ。ずっと前から」

セリフが臭すぎる。
だけど、そんなにまっすぐに見つめられると……
恥ずかしい。
指示が頭の中に認識されてくる。

あ、ダメ。
ハルの視線はトウキの唇に吸い寄せられる。
触れたい……
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