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優しいヒトに虐められてます。
第8章 下ネタしりとり
「う、う、『う』かぁ……
さっきも出たなぁ……」
「ちなみにさっき言ったのはウ――」
「言わなくていいです」
「早いね~」

すでにヘトヘトになっているハルがしりとりを続行したのは
単に服が乾くのを待つためもあるが、他にも
今なら恥ずかしがらずに、それも二連敗した後なので
割と柔軟に考えられる気がしたからだった。

一応彼は、着替えがあるならまた後日受け取りにくる形でもいいと
提案してくれていた。
しかし今帰って後日しりとりを再開すれば、今日の一、二戦目と同じく
思考が固くなっていて勝てないかもしれない。

確かに身体的には、小学生相手でも襲われれば犯されそうなほど
疲弊していた。
しかし二連敗を喫しているこの状態で、三連勝して
逆転勝利を起こす可能性が一番高いのは、今だった。

現在二連敗しているので、あと一回でも負ければゲームは終わる。
彼から要求される罰ゲーム自体はさほど不安ではないが
ハルの小さくも割と切実なとある望みが叶わなくなってしまう。

「あ、『裏筋』、男性器の……裏の筋のこと?」
「うん。まあ確か亀頭の方の裏にある筋繊維
みたいなものだったと思うけど、いいでしょう」

「トウキくんにもあるもんね」

「……」

「……」

「『じ』かぁ……じ、じ、何かあるかな」

華麗にスルー。
ちょっと勇気を出してからかってみるとこれだ。
急にこのまま三連勝などできない気がしてくる。
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