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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
大津川はハルをまっすぐ見つめて言った。

「ダメだよ、ハル。今ハルがさっきの
恥ずかしいこと全部、不快なことだと認識しちゃったら
今後ずっと不快な記憶として残っちゃう」

「そんなこと言ったって……」
声が裏返った。
ついでに湿っていて、しかも震えている。

「もう聞かれちゃったんだよ……全部……
もう手遅れだよ……」
「ハル。君がお友達のことを嫌いにならなければ
お友達が君を嫌いになることはないよ」

何……それ……どういうこと……

「ハルが今ここで恥ずかしさを克服すれば、ハルの方が
立場は上になる。ハルは、乗り越えなきゃいけない」
彼が何を言っているのかわからないまま
彼はハルの耳元に顔を寄せて囁いた。

「いい? 恥ずかしさは、気持ちいいの裏返しなんだよ」
「意味が……わからないよ……」
泣いているからでも、パニックで頭が回らないからでもない。
純粋に、彼の言葉の意味がわからない。

「後で説明してあげる。だから今は、恥ずかしさを克服しよう」
「でも……どうしたらいいの……」

「大丈夫、簡単だよ。もっともっと、お友達に聞かせてあげればいい。
気持ちよくなってるハルの声を。
気持ちよくなってる時の、全ての音を。」

――全部さらけ出して、聞かせてあげればいい。

何を……言ってるの……?
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