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第12章 お風呂にて・・・

「ね、ねえ、ずっと背中なの？」
もう数分間背中周りだけさすられている。
「ん？　僕はハルの背中をずっと触ってられるだけで
幸せだよ？」

「ぅぅ……ま、前も……洗わないと……」
「そうだね、じゃあはい」
大津川がハルの両手を取って
ボディソープを塗り付けた。

「え……」
「前も洗うんじゃないの？」
「あ……うん……」
ハルは彼からもらった泡立ったボディソープを
自分で胸に塗り付けた。
胸に塗り、お腹に塗り……
すぐに、手が止まった。

何、この虚しさ……
なんか泣きたくなってきた……

「どうしたの？」
沈黙するハルに、彼が囁いた。
「……どうしてほしいか、ちゃんと言ってよ」

「前もちゃんと洗ってっ！！」
ハルは投げやりにも思える声の張り方で言った。
彼のドSさはすでに知っているのでもう呆れはしない。
ただ、自分の虚しさを解消してもらいたかった。

「わかった。こう？」
「んっ……あぁっ……」
「フッ。相変わらずの感度だね」
彼に胸を揉まれ、にわかに身体が熱くなってくる
自分の単純さが物凄く恥ずかしかった。