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優しいヒトに虐められてます。
第15章 彼のとっておき、そして・・・
芹沢がまた確認するように赤石を見る。
このためにわざと私たちにもかろうじて聞こえる声で
話していたようだった。

赤石は芹沢に一任するつもりらしく
素知らぬふりをして私のマッサージを続けた。

芹沢が溜息をついて言った。
「じゃあ、なるべく変な声を出さないようにね。
向こうは普通のマッサージだから。
あと、これは向井さんだけの特別マッサージだから
絶対他の人に言わないようにね」
ナホが真っ赤な顔で頷く。

芹沢に促されたナホが自分で
胸のタオルを取る動作をしたところで
私は慌てて首をもう一度反対側に戻した。

「……ほんとにごめん、赤石くん。
ここそういうところじゃないのに……
後でほんとにキツく言っとくから」
「……まあ……ごくごくまれにいるから」

「ほんとごめん……」
「いいよ、こっちはこっちで普通にやろう」
うん、と頷き私は目を閉じたが
意識は真後ろのナホたちから離すことができなかった。
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