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狂おしいBの記憶
第2章 性欲沸騰の二人に神提案
古い木造の、平屋の一軒家。ケンジの自宅だ。この辺りでは、ごく普通の家。当然、部屋はオール和室、ケンジの自室も和室で、ベッドはない。しかしめぐみの自宅も、似たようなもの。

「めぐみー。こっちに来てくれー」
ケンジに案内されて入ったのは、この家で一番広い部屋。ケンジの自室は狭くはないが机やら本棚やらテーブル、いす、テレビなどモノがあふれて、とてもじゃないが二人で並んで寝ころんで愛の営みをするスペースがなかった。
その10畳くらいの広さの部屋の中央に、ちゃぶ台が1つぽつんと置かれていた。ざぶとんが二つ、並んで敷いてある。
めぐみとケンジは、そこに並んで座った。

しかし。
気まずい沈黙が、二人を包んだ。
いちおう手さげの中には勉強道具が入っていたが、めぐみはそれを取り出さずにじっとしていた。ケンジはいちおうちゃぶ台の上に勉強道具を出してはいたが、それを開きもせずにやはりじっとしていた。互いに、エッチな営みをしようと切り出そうとしては、やめていた。

<わたしたちはまだ中2、セックスは早い>

<いけない、めぐみを妊娠させてはいけない>
ケンジはズボンのポケットに、コンドームを忍ばせていた。これを使えば妊娠は避けれるかもと思い、エッチしようと切り出そうとするケンジ。
<しかし>
コンドームとて、100%避妊できるわけでない。失敗したら、と思うとケンジのチンポが萎える。

<ケンジとセックスしたい~。めちゃくちゃセックスしたい~。でも赤ちゃんができたら…>
今はセックスして気持ちよくなっても、もしそんなことになったら二人の間柄はどうなる。たぶん、引き裂かれるに違いない。そんなのはいやだ。
めぐみはそんなリアルを強く考えて、躊躇(ちゅうちょ)した。

このような二人のリアリズムは、中学生としては珍しい。二人は性欲が非常に強いことに比例して、理性も非常に強かった。
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