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Quattro stagioni
第2章 今宵は、新しいシーツの上で

藤くんの体温を感じると気持ちがほっとする。彼のシャツに頬ずりをすれば大きな手はゆったりと髪を撫でてくれた。ああ、愛おしい。

「志保さん?寝るなら布団いきましょ。俺、軽くシャワー浴びてきますから」

段々と私がうとうとし始めると藤くんは言った。のそりと彼の足の上から降りればひょいと抱き上げられる。器用にドアを開けて寝室に向かうと来客用になる予定の敷布団の上に下ろされた。真新しいシーツはまだ少し硬く感じる。藤くんが帰ってくるとは思ってなかったのでひとり分しか敷いていない。

「なんか、ベッドより狭く見えますね」
「シャワー浴びてる間にもう一組敷いとくよ」
「くっついて寝るんだからいらないですよ。ちょっと待っててくださいね」

額にキスをして寝室を出ていった藤くんは15分くらいしてから戻ってきた。布団の中で抱き寄せられると私が愛用しているボディソープの匂いが鼻腔を擽る。それから彼の髪も私と同じシャンプーの匂いだ。

「明日、ベッド届くの何時でしたっけ?」
「14時とかだったと思うよ。あ、藤くんの荷物、空いてる部屋に置いといた」
「ありがとうございます。片付け任せちゃってすみません」

いいこいいこ、と髪を撫でてくれる手が心地良い。ふて寝をしようとしたときとは違うあたたかな眠気。やっぱり、不安だったのかもしれない。チカが言った通り私はいい歳をして藤くん離れ出来なくなってしまったようだ。

「…好き、藤くん。帰ってきてくれてありがとう」
「眠いんじゃないんですか?俺のこと寝かせるつもりないでしょ」

にやりと笑った藤くんは布団を跳ね飛ばして私に覆い被さる。重なった唇。そっとそっと下唇を噛んで、舌を捻じ込んできた。やだ、もう眠い、と言いながらも寝間着の中に彼の手が滑り込んで来れば、もっと触ってと素肌が叫ぶ。

「新しいベッド、ヘッドボードのとこちょっと柵になってるんですよ。楽しみですね、色々」
「……ほんと、変態だよね」
「明日、片付け頑張るんで終わったらコスプレ買いに行きましょうよ。あと、手錠とか」
「もう1回言うけど、藤くんってほんと変態だよね」
「でも、そんな俺のことが好きでしょ」
「…くっ…なんか強気だな」
「ほら、もう乳首硬くなってますよ」
「ちょ、待って…眠いからやだ…あっ、こら!」


私が再び眠りについたのはここから数時間後だった。




Fin♡
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