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Quattro stagioni
第12章 スタンダールの幸福 Ⅶ♡

リビングのソファーに座らせ、とりあえずキッチンに向かった。コーヒーでも淹れて、きちんと話をして、それからだ。呼吸を整えながら湯を沸かしていると、ぺたぺたとスリッパを履いた足音。やかんから視線を移せば美月がキッチンにやってきて、きゅっと俺の服の裾を掴んだ。

「…どうした」
「……」

無言で抱き着いてくる。鼻先を甘い匂いが擽っていった。手を同じく柔らかい身体。息をつき、火は止めた。恐る恐る抱き締めると俺の身体に回った腕の力が強くなる。

「好きです。会えば会うほど、好きしか考えられない。わたしは、都筑さんにはなれないけど…でも、いつか、越えますから…」
「……ばかだな、お前」
「バカですもん」
「いいんだ、都筑と比べなくたっていい、越えようとしなくたっていい。お前はお前でいいんだよ。無邪気だと思ったら、俺のこと挑発して、そのくせ、妙に照れたりして…俺の言葉ひとつで笑ったり、膨れたりする。そういうお前が、好きだよ」

しがみ付く身体を引き剥がし、頬に手を添える。真っ直ぐ俺を見る瞳が涙で潤んでいる。好きだ、美月。一音、一音を確かめるように言うと、美月はこくりと頷く。

髪を撫でて、それから、ゆっくりと口づける。バニラアイスのような甘さを感じた。角度を変えて口づけながら美月が薄く口を開いた。舌を挿し込んで、探り探りで彼女のそれと絡ませる。

「…ふっ、」

かくん、と美月の膝から力が抜けた。耳まで赤く染め上げて、キッチンに座り込む。煽ったくせに。そう思いながらも華奢な体を抱き上げた。

「しゃ、シャワーとか…」
「悪い。もう我慢できねえ」
「…!」

寝室に向かい、ベッドに下ろす。起き上がろうとする美月を制して、もう一度キスをした。俺の二の腕を弱く掴んでキスに応じる。下唇をやわく噛んでやるとぴくりと身体が震えた。顔を離せば、彼女のそれは恍惚としていて、薄く口を開き、目を潤ませた姿を見ると股間には更に熱が集まっていく。
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