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Quattro stagioni
第4章 ♡ la mia gattina

◇◆

「…ごめんなさい、ほんと調子乗りました。ほら、志保さん、アイス買ってきましたよ。機嫌直して」
「前にも言ったことあるけど、アイスひとつで私の機嫌が取れると思うなよ」

暗い寝室のベッドの上。毛布に包まって藤くんに背中を向ける私に、彼は猫撫で声を出して私の機嫌を取ろうとしている。今が何時なのかは定かではないが、すっかり夜になってしまっていることだけは分かる。

私が意識を保っていられたのは4度目の挿入までだった。合間にご主人様にご奉仕を、と言われ普段は要求されないフェラチオをしたことはぎりぎり覚えている。鳴き疲れた私が意識を手放してからも彼の興奮は収まらなかったらしい。

途中で気を失ってしまうことは過去にも何度かあった。そういう時は綺麗に後処理をしてくれていた。だが、今日の藤くんは眠った私のアナルにご丁寧に尻尾を装着し直して、猫姿のままの私を抱き締めて眠っていたのだ。

目を覚ました私が尻尾を取ろうとする姿をたぬき寝入りをして見ていたことに私は腹を立てている。しかもこっそり写真を撮ろうとしていたから性質が悪い。

「機嫌直してください。ね、ほら、俺になにして欲しいですか?」
「…あっち行って」
「それ以外で」
「……どっか行って」
「同じじゃないですか」

もう、と呆れた息をついて毛布ごと私を抱き上げる。やだやだ、と暴れると強引にキス。

「もう二度と猫やんない」
「そんな。志保さんかわいかったですよ、にゃあって上手でしたし。次は録画しないと」
「………」

無言でじろりと睨むが、意に介さず今度は頬へキス。

「なんでも言うこと聞きますから。ね、そんな怒らないで」

ぷい、と顔を背けると顎を掴まれた。藤くんは本当にずるい。暗い部屋の中でも十二分にわかる綺麗な瞳に見つめられれば、怒る気も失せてしまう。

「…アイス、食べさせて」
「仰せのままに」
「あと、お風呂。髪も洗って」
「もちろん。トリートメントもちゃんとしますね」
「……ん」

への字に曲げた私の唇を彼の指が撫でる。コスプレはもう封印してやろう。あんなのしょっちゅうやっていたら身体が持たない。来週はメイドだと言う藤くんの指に噛みつくと、いやに低い声でお仕置きしますよと言われ、ぞくぞくしたのは気付かれていなければいい。



Fin♡
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