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第1章 ー嵐の前の静けさー

「ねぇ、ママー？」
「ん？なーに。」

手を洗っていた晃子が、エプロンで拭きながらリビングにくる。

「大丈夫？明日、行くんだよね？東京。」
「だーいじょうぶよ！！台風の進行方向から、だいぶずれてるから。寂しい？」
「ううん。パパ、ご飯作れないし、飢え死にするかも！！」

テレビの台風情報からいつも見てるアニメに変わった。

「大丈夫！！ちゃんと、作って冷凍しとくし、カップ麺とかも買っといたからね。ふふっ…」

また、何かを思い出したのだろう。晃子は、少し笑った