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淫獄家族
第1章 ー嵐の前の静けさー
「あなた、おかわりは?」
「今夜は、貰う。あと、今夜は、酒は飲まんからな。明日、お前送ってあげないと。」

空にしたご飯茶碗を晃子に差し出しながら、寛が言った。

「ママ、明日何時に集まるの?」
「8時よ。新幹線で行くから、お昼前には向こうに着くわ。」
「新幹線、通る?山口県とか止まってるし。」

心配そうな顔で、テレビを指差した。

「浜松発だから、大丈夫よ。茜は、本当に心配性ねー。」
「だって、台風だよ?もしママになんかあったら、私飢え死にしちゃうもん!!」
「…。」

箸を動かす手が止まる寛…

それを見て、軽く笑う晃子…

「大丈夫だって!!ちゃんと、用意してあんだろ?晃子…」

と心配そうに聞く寛…

「当たり前です。茜になんかあったら、ママ倒れちゃう!!」

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