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第9章 悪夢の実像
セイゴがアイルの両手をがっちりと掴んで
顔を覗き込む





『~?やっぱり?
少しは大人っぽくなったのかな?
クククっ…でもやっぱり顔は幼いね…』



赤く腫れたアイルの頬に指でつんと触る






この狂った男に何かを懇願しても

誠心誠意たのんでも

無駄なことを知るアイルは

無我夢中で無意識でとにかく抵抗をした




脚をバタバタと動かす

同じ目になど…絶対に遭いたくない、と











『それにしてもさぁ…
随分とイメージを変えたモンだよね?
一瞬アイルだってわからなかったよ』




そう言いながらセイゴが
アイルのジーンズのジッパーを下ろす









『・・・っ・・・いやぁ・・・っ!』



両手でアイルが制止しようとすると
再びその両手を捕まれた





『~…随分冷たいじゃない
4年ぶりの再会だって言うのに?

良い子にしないなら…
手は・・・こうしようか』





アイルの両手を頭の上で組ませると
手首を紐でぐるぐると巻いた

セイゴが被っていたキャップを脱ぎ捨て
髪をかきあげるようにして左のこめかみの
傷痕をアイルに見せつける




『…っ・・・!?』





ドクンっと
アイルの心臓がまた乱れて脈をうつ





『そうそう…気をつけないとね

アイルの…~この手は何をするか…

わからないから・・・~ね!!』







言葉と同時にセイゴはアイルの手首を
紐でギュッと強く締め上げた




『いっ・・・っっ・・・・~ん!』




アイルが苦痛に顔を歪めて
目を更にギュッと強く閉じた

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