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第9章 悪夢の実像
〃たすけて…お願い…誰か…たすけて

……リョウキ…助けて…っ〃




アイルが脚をバタバタ動かす。





〃やだ…っ。キモチワルイよ…いやだよ…〃





『アイル~…
良い子にしなくちゃダメだろう?

…いいの?
アイルがお利口にしないと…

あのカワイイ~ワンコたちが…
危ない目に遭うんだよ?』








『ハァ…ハァ ・・・ ぇっ…?』




アイルがハッとして
固く閉じていた目を開く。






『アイルは頭のイイ子だ

・・・わかるよね?』








『・・・』




アイルが動くのを止めて
ダラっと脚の力を抜いた




ジワっと…アイルの目が熱をもつ。





『…ん、良い子だアイル。よしよし…

痛くないようにしてあげようね。クククっ…

楽しめよ?…時間かけて…奥までじっくり

隅から隅まで…たっぷり汚してやるからさ』








『ゃ……ぃゃ…』






『フフッ、しかしアイルも
報われない子だよね?

あんな〃無茶〃してまで
俺から逃げたのになァ~』





『…っ』






『結果ムダな抵抗に終わったな?ククク』



『…』






『フフッ、~卒業オメデトウ?アイル…
寸止めされたんだ。
今度こそ存分に楽しませろよ…』




『……』






〃あの時に…私が諦めていれば
今よりはマシだったのかなぁ〃





アイルの頬をツゥーっと涙が伝う





〃どうせ…こうなるんなら
初めから諦めてれば…

少しは…少しでも周りの人達に
迷惑掛けずに済んだのかなぁ〃





ショック状態を通り越したように
頭がぼんやりしてくる感覚を覚える




〃私が我慢していれば…

人も傷つけずに・・・〃







〃あの時諦めてれば…

2度目は…なかったのかな〃






〃「あの時」諦めてれば…

「今」リョウキを

悲しませずに…済んだのかなぁ〃





『バカだなぁアイル…
お前は本当に

バカなヤツ
フフッ…巡りめぐって…結局』







〃あの時…諦めてれば…〃







『…お前、俺が〃初めて〃だな…』







『……』


〃四年間…アタシハ…ナンノタメニ…〃


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