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仮初めの恋人
第1章 快楽を宿して~飯田奈緒美の依頼~
彼の胸に顔を預けて甘い余韻に浸った後、シャワーを浴びて服に着替える。
鏡の前で整える程度の化粧をしているうちに彼女はいつもの河津奈緒美に戻っていく。
服飾の専門学校を出て、アパレル関係に勤めたが思い描いていた仕事ではないと退職し、自ら買い付けた輸入品の店を始めたのはもう十年以上も前の話だ。
それから少しづつ自分でデザインした服も売り始め、気付けば三店舗を抱える社長になっていた。
「凛々しい奈緒美さんに戻っちゃった?」
シンジが背後から肩を抱いてくる。
「ちょっと。化粧の手元が狂うんだけど?」
冷たく言い放つが口許は微笑んでおり、振り返ってキスをした。
「あなたって不思議ね」
「そうかな?」
「なんかシンジといると調子が狂うわ。私はメリハリを付けてきちっと時間通りにいかないと納得できないタイプなんだけど、あなたといるとなんかまぁいっかって気になっちゃうのよね」
「褒められてる?」
シンジはわざと戯けながら訊いてくる。
「まあ、多分ね」
憎めない歳下の男に呆れた笑みを返した。
鏡の前で整える程度の化粧をしているうちに彼女はいつもの河津奈緒美に戻っていく。
服飾の専門学校を出て、アパレル関係に勤めたが思い描いていた仕事ではないと退職し、自ら買い付けた輸入品の店を始めたのはもう十年以上も前の話だ。
それから少しづつ自分でデザインした服も売り始め、気付けば三店舗を抱える社長になっていた。
「凛々しい奈緒美さんに戻っちゃった?」
シンジが背後から肩を抱いてくる。
「ちょっと。化粧の手元が狂うんだけど?」
冷たく言い放つが口許は微笑んでおり、振り返ってキスをした。
「あなたって不思議ね」
「そうかな?」
「なんかシンジといると調子が狂うわ。私はメリハリを付けてきちっと時間通りにいかないと納得できないタイプなんだけど、あなたといるとなんかまぁいっかって気になっちゃうのよね」
「褒められてる?」
シンジはわざと戯けながら訊いてくる。
「まあ、多分ね」
憎めない歳下の男に呆れた笑みを返した。