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仮初めの恋人
第3章 初めての彼氏~郁野真莉の依頼~
彼の脚にしがみつき、腰を浮かせる。
迫り来る絶頂の波は真莉を飲み込もうと激しさを増す。

しかし男性の前で達してしまうという恥ずかしさが邪魔をして意識が集中出来なかった。

躊躇いは最後の一線を越えさせてくれず、逝きも出来ず、引くことも出来ない苦しみを与えていた。

「真莉……」

優しく声を掛けられ、嬉しいはずが、どこか醒めてしまう気持ちにもなる。

(もっと手荒くされたいんだ……)

妄想の中で彼女はいつも虐げられながら自慰をしていた。
彼女の中で育ってしまった劣等感は、そういった歪んだ性欲を生み出してしまっていた。
小学校時代、好きな男子にも避けられて、その現実を受け入れる為に出来た心の闇なのかもしれない。

「お尻を……」
「なに?」
「お尻を……お尻を叩いて下さいっ! 罵りながら、お尻を叩いてっ!」

何も見えない状況は、彼女を大胆にさせ、ありのままの気持ちを叫ばせていた。


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