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恋人上司と秘密の甘い夜
第1章 恋
でも後藤さんと車の中で二人っきり……。
これが初めてだから外回りがどういうものなのか分からなくて、他にも同僚がくるものだと思っていた。
後藤さんが運転している中、私は緊張しながら足をきっちり揃えて助手席に乗ていた。
「……就活してる?」
「まだです。仕事で疲れて全然できてなくて」
「あっという間だから早く決めろよ。次はどういう職に就きたいとかあるのか?」
「うーん。とりあえず事務ですかね。忙しいやつの」
「ふっ。今の仕事じゃ、退屈か」
「そっ、そんなことないです」
無難な話をしながら現場へ移動して後藤さんが仕事をこなしていく様を隣で見ていた。
三社ほど関連会社に寄り、書類を持って話をしに行く。
会社の外から出ても仕事がしっかりできる上司なんだと感心する。
用事が済んでから職場に戻る途中、後藤さんは自販機があるところに車を止めて降りた。
こっちにこいと手招きされて私も降り、長時間座っていて凝った体を伸ばす。
「色んな所に行って、長い時間移動してて喉が乾いただろ?はい、ジュース」
「あっ、ありがとうございます」
仕事中に寄り道。こんなに緩くて大丈夫なんだろうか。
前にいた会社は休憩時間も前倒しして仕事をしていたからなんだか不安になる。
「……梨木さんは彼氏いるの?」