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恋人上司と秘密の甘い夜
第1章 恋
一先ず床掃除は自分でやると言った上司に任せて、私はさっさと応接室にお茶を運んで飯近さんから頼まれた仕事を終えた。
「はい、休憩」
お盆を給湯室に運ぶと、掃除を終えた後藤さんが休憩の続きをしていた。
零してしまって落ち込んでいると思われたのか、気を使って私のマグカップにコーヒーを注いで渡してくれる。
「ありがとうございます」
くっ、黒い……。ブラックは飲めないから困った。
ごくごく飲めるような味ではないから少量だけすすって、マグカップを両手で包んだ。
後藤さんが給湯室を出て行った後に砂糖とミルクを好きなだけ入れよう。
「午後三時から外回り行くんだけど、梨木さんも一緒に行くか?」
「私も行っていいんですか?」
「他に仕事を頼まれていないんだろ?外に出て勉強するのもいいと思って」
「はい!行きます」
職場の外に出れば、移動時間で大幅に時間を潰せる。
社内でぼーっとしながら仕事を待つよりずっと楽しそうだ。
ワクワクしながら午後三時になるのを待って後藤さんと外回りに向かった。