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恋人上司と秘密の甘い夜
第5章 秘密
『ああ……。ちゃんと別れたし、もう過去のことだ』
「そうですよね。後藤さんは掛け持ちするような人じゃないって思ってました」
『…………』
「綺麗な人だったんですよね」
そう言うと、電話の向こうから少しの間だけ何も聞こえなくなった。
『……今は藍紗が一番好きなんだ。心配することはない』
「はい……」
『あっ、明日の外回りこそは一緒に行こうな!藍紗に頼む仕事も少ないと思うから――』
気まずい空気が流れたのを察した後藤さんが話を逸らす。
これ以上は元カノについて何も話してくれなかった。
どうして別れたのか気になるけど、私も怖くて聞けなかった。