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第26章 心の行方

浮気。。。

付き合っている時も、結婚してからはもちろん、してはいけない。。。

わかってた。。。

強引に押しきられて拒めなかったなんて、言い訳にならない

家の中でも監視されているみたいだ

どこからか、カメラが見ている。。。

いつから？

私と、拓人の情事を画像で見せてきた意味も、わからない。。。

真実だったのは、私が拓人に抱かれていたのを健人が知ってしまった。。。

今日は、愛ちゃんとの約束の日だ

行かないでいると、机の上の携帯が鳴る

番号は表示されているが、削除された電話帳は誰からか教えてくれない

多分、愛ちゃんだろう。。。

連絡しないで、約束を破ったのは、初めてだ

何度も鳴る携帯をただ見ていた

私は何をやっているんだろう。。。

樹という箱から逃げ出したのに、健人の箱に閉じ込められている

せめてもの救いは、海人といられることだけ

健人は、毎日変わらない

前と同じく、優しく私を甘やかしている

毎晩、愛してくれる。。。


どうかしている。。。


浮気した女に、愛してると抱く健人が怖い。。。

私が悪いんだから、何も言えずにいた


健人が、いつまでも鳴る携帯を渡してくる

無言で受け取り、電源を切った


「よかったの？」


不安そうに見る健人が、何を考えているのかわからない。。。

自分が行くなと言ったくせに。。。


「健人。。。？」


健人を呼ぶと、嬉しそうに見てくる


「ん？」


「携帯、解約していいよ」


「解約したら、困るだろう？」


覚悟を決めていく


「困らないよ。。。

仕事も、辞めてずっと健人と同じ家にいるんだから。。。

向こうが番号知ってる限り、不安でしょう？」


「わかった、解約する。。。

必要になったら、言って？」


優しく髪を撫でていく


息苦しい。。。

偽りの空間みたいだ。。。

この先も、ずっと拓人の影がちらつきながら、過ごしていくのだろうか。。。？


私の心は健人を求めている

裏切った私は、信じてもらえない

息苦しい空気に耐えられなくなる


「健人？

買い物に行かない？

海人のお昼寝までには帰りたいの。。。」


少しでも、外に出たい。。。

ダメだと言われたらどうしよう


「そうだな。。。

冷蔵庫に何もないし、行こうか？」