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運命の人
第29章 言葉
拓人と終わりにしてから、1週間がすぎた

何も変わらない日常は、静かに流れていく

健人は、何も聞かないし何も言わなかった

ただ、あれ以来、セックスしていない

抱きしめあってキスはする

体を煽るくせにセックスはしない

よくわからない。。。


「抱きしめてるだけで、幸せなんだ。。。」


そう言っては、本当に抱きしめるだけだった

今日は、海人は実家に預けて詩織さんと会う約束している

初めて行く詩織さんの家に緊張する

この前、図書館で直樹さんに会ったのを思い出した

あの人。。。今日もいるのかな?

ドキドキしながら、詩織さんの家のインターフォンを押した


ピンポーン


「はーい?」


ドアが開いて、詩織さんが笑う


「いらっしゃい?

待ってたよー?」


屈託のない笑顔が私を安心させる

愛ちゃんとも、もう友達には戻れない

私を家から出すのを嫌がる健人といたら、友達は出来ないだろう。。。

詩織さんと会うことだけが、健人以外の人といられる時間でもあるのが嬉しかった

何となく、想いが溢れそうになる


「どうぞ?」


中に入ると、シンプルな家に驚いた

詩織さんの性格から考えたら、もっと可愛らしい家かと思った

余計なものはいらない、シンプルな部屋はおしゃれだ


「座って?」


笑う詩織さんに安心して、ソファーに座った


「あの。。。お土産です

陸くん達と、食べてください。。。?」


お土産に作ってきたシフォンケーキをわたした


「え?いいのっ?

うれしいっ」


本当に嬉しそうに笑う詩織さんを見ると、作ってきて良かったなあと思った



「で?

何かあった?

今日は、ジャマものはいないから、本音で話せるね?」


「この間、図書館で直樹さんに会いました」


「え。。。?」


「私、図書館やめたんです。。。

それを言いに言ったら、元彼といるのを直樹さんに見られて。。。」


言葉を濁していくと、詩織さんが笑う


「直樹は、サッカーしてた?」


「ええ。。。

詩織さんがいない日もいつも待ってますよ。。。?」


「ふふっ。。。そう。。。」


嬉しそうに笑う詩織さんを見る


「直樹は、そうやって偶然を装ってるの。。。

気づかないふりしてるの。。。」




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