パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第30章 夏祭り

私は、いつからこんな女になったんだろう

中学の頃から、好きな人のことばかり考えていた

振られても、なかなか忘れられず次に好きな人ができるまでは、苦しかった

拓人もそうだった

拓人だらけの毎日

拓人以外は考えなかった

別れてからも、ずっと忘れられなかった

樹と結婚して、他に考えなくてはいけないことが増えて考えるのを忘れていた

健人に出会い、運命を感じた

健人だらけの毎日になるはずが、ならなかった

拓人の弟なんて聞いてなかった

初めて、裏切りを感じたけど気づかないふりした

同時に、拓人への想いが溢れた




忘れてなんていなかった。。。




ずっと好きなことを想い出した

口にしてしまうと、拒むなんてできない




だって。。。望んでいたから。。。




私には、恋しかなかったから？

夢や、やりたいことがあれば、恋にすがるだけなんてしなくてすんだのかな。。。？


泣きじゃくる私を抱きしめる拓人の腕の中は、ずっと望んでいた場所だ


体が離れて私を見る拓人が言う


残酷な一言。。。



「みぃからキスして？」



「っ。。。」


健人がどうしているかは、わからない

愛ちゃんは見ている




私。。。



私は、どうしたい？



私は、拓人とキスしたい。。。


感情を抑えて笑う


「ダメに決まってるじゃない？」


不意に立ち上がると、愛ちゃんと目が合う

ずっと信じていた親友は、拓人の１番の女だった


バシン


愛ちゃんの頬を平手打ちした

愛ちゃんは、私を震えながら見ている


「みぃ。。。？」


震える声で愛ちゃんが私を呼んだ

拓人が、私の左手をつかもうとした瞬間に走り出していた

後ろから拓人と、愛ちゃんが私を呼ぶ声が聞こえたけれど、ただひたすら走っていた

途中で、走りづらくなり裸足で走った

履いていた草履だけを持って、ただ走り続けた

人混みに紛れていくと、ようやく振り向いた

誰も見えない。。。

追いかけてさえ来なかった寂しさと、自分がそうさせたんだと、自己嫌悪に陥っていく

元彼女といる旦那

親友だった女といる元彼


頭の中は嫉妬で渦巻いていく


私だけ１人ぼっちじゃん。。。

周りは騒がしいくらいに、賑やかなのに。。。


どうして上手くいかないの。。。？