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運命の人
第6章 子供
無言のままの家庭内別居みたいな生活が続いている

2週間だ

顔を合わせることなく、毎日が過ぎたらいいのにとさえ、思ってしまう。。。

朝は顔を合わせざるをえない

会話も、挨拶もなく、目も合わせない

毎日、樹が帰る前に家事をして、シャワーを浴びて部屋に向かう

食事は、樹の分だけ用意している

部屋にビールを持ち込み、部屋から出ない

1人で過ごす部屋は、初めは寂しい気持ちが大きかったけど、自分のメンテナンスの時間にしたり、マンガを読んだりゲームしたり、自分の時間を満喫していた

結婚してから、好きなテレビだけ見ることさえなかった

週末も、家事をする以外は部屋から出なかった

化粧もしないで、部屋着で過ごしていた

女を出さないようにしていた

どうせ、女として見ていないだろうけど。。。

買い物以外には出かけない

どこかに出かけるのは、勝手なことをしたようで詰問されたくなかった

自分に不利になることは、しないと決めていた

樹は、毎日リビングのソファーで寝ているようだ

毎日、会社に行く旦那にひどいことをしていると思われても気にしなかった


健人とも、図書館でしか逢っていない

健人も、仕事が忙しいみたいで短い時間しか逢えなかった。。。

でも、健人の事務所に逢いに行くと、見られたりするのが怖かったし、不利になることは、しないと決めていたから我慢していた

毎日、少しだけでも、逢いに来てくれるのが嬉しかった

時々、抱きしめてくれることだけで十分だった


今日は、子供紙芝居の日だ

1ヶ月に2回、子供たちに紙芝居を読む

正直、子供は嫌いだ

でも、絵本や紙芝居は好きだった

昔のキラキラした感じを感じられる

悪役もブリブリなお姫様も演じていく

子供たちのハラハラした顔や真剣な顔を見ながら楽しんでいた

今日も、紙芝居が終わると子供たちに好きな折り紙を作っていた

折り紙も好きで、動物やキャラクターの折り紙を作ってあげる


「お姉ちゃん、私はきりんっ」


「どうぞ?」


子供たちがいなくなる頃、頭の上から声が聞こえる


「お姉さん、俺にもちょうだい?」


見上げると、笑いをこらえた健人がいる


「大人には、ないわよ?」


子供用のいすに座る私は、健人を見上げた


「じゃあ、大人用、ください?」


「ふふっ。。。何、それ?」


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