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第5章 4月4日

俺が一般人用と選民用新聞に目を通したのは、選民には一般人プラス選民のニュース、つまり一般人の意識操作も踏まえた解釈つきのニュースが掲載されるため、選民用新聞で足りるところだが、
むしろ情報操作された一般人用新聞に、意外と真実の欠片が掲載されるため、あえて両方をチェックしたのだ。


しかし、これといって有益な情報はなかった。

つまり、御幸の失踪やheavenのことを臭わせるようなニュースはなかったのだ。


次に解析をかけていた優翔の映像を確認する。
あの日の前日、優翔がメール便からあのタブレットケースを取り出した瞬間だけが映像に残っていた。


『これ、何の懸賞で当てたんだろう。』

本人が訝しげに封筒を開いていたが、俺が検索してヒットしたheavenの効用や使用方法だけの情報がチップに入っているだけで、優翔がいう何の懸賞だか、誰が送り主だかも不明なままだった。