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第5章 4月4日

姉にとっては、結婚するほど愛した男は、異父兄弟の兄だけだったのだ。


この事件と自分の体験から、寛都はセックスにむやみに興味を持たなくなった。

美海を結婚してもいいと思うほど愛していたが、
両親を見ると、結婚に自信がなくなっていたし、姉の夫予定の男のような境遇を作り出してはいけないと、肝に命じたのだ。


実際のところ、寛都の心拍数は上がり、アドレナリンも放出されていることが、モニターのグラフから判るが、寛都は美海を直視しないようにして堪えている。

そんな寛都の男の葛藤などわからない美海は、つれない寛都の気を惹こうと、ｷﾞｭｯと腕に絡み付き、覗き込んで上目遣いに寛都を見上げる。