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第5章 4月4日

｢別の意義？｣

｢そうだ。安全策として観察、管理するというのは建前で、そうやって観察すること自体に別の意義が…｣

｢すみません、全然、意味がわかりません。｣

｢ピラミッドに無職のものがどれだけいるだろうか、
その無職の者に仕事をさせれば、ピラミッドの維持も拡大も容易に出来るはず、
その労働力を観察に充てる意義があるから、観察が使命なんだ。｣

｢はあ…｣

｢そうか…
では逆に、管理者のために、観察と対象者がいると考えてみたまえ。｣

｢対象者の為に管理者がいるのでなく、
管理者の為に対象者がいるのですか？
彼らは管理されてるとすら知らないのに？｣