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輪廻 ∞繰り返されるループ∞
第5章 4月4日
そう言えば、来た時も、突然現れた感じだったな…
締まるエレベーターの扉の向こうに消えていく老人の姿をボーッと眺めていた。
『知らない』と言いながら、何故、鎖の話をしたのだろう。
最初から質問に質問で返されたり、
階級の話もクイズのように何度もヒントを出して俺に答えを引き出させたり、
始終不思議な人だった。
「次のお飲み物はどうされますか?」
ウェイターが聞いてくる。
「あの人が飲んでいたものと同じものを…」
「ああ、『未来』ですね。バーテンダーに出来るか聞いてみます。」
「『未来』という名前のカクテルなんですか…」