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輪廻 ∞繰り返されるループ∞
第7章 4月6日
飼育員の彼女はハッとした表情をした後、そのくるりと丸い瞳を細めて笑う。
そして俺の耳元に口を寄せてこそこそと小声で囁いた。
「あの、それは人間に聞かれたら、怒ってしまうので内密に…」
この飼育ブースには俺と彼女しかいない。
なのに、彼女の上司か、はたまた、人間が飼育されてるかのように唇に指を立てて、可愛く片目を瞑って言う。
俺達しか人間はいないのに…
と思ったが、それが彼女の可愛らしいジョークだとわかると可笑しくなった。
優しくて可愛くて機転のきく彼女がとても素敵に見えた。