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輪廻 ∞繰り返されるループ∞
第9章 4月8日
違和感を感じない親父に呟くがもちろん通じる訳はない。
しかし御幸はそのままスティックを取り出して検査を始めた。
【妊娠の可能性ー55%】
寝室にホログラムが表示された。
「明日パーセンテージが上がっていたら、妊娠してるわよ。」
嬉しそうに告げる御幸に、親父は更に鼻の下を伸ばしていた。
早送りすると、翌日には70%に上がっていた。
「産むんでいいんだよな?」
「もちろんよ、貴方と私の子供よ?産むに決まってるじゃない。」
(ほら、可笑しいだろ?本物の御幸は四人も要らないと言っていただろう?)
俺は届かない呟きを繰り返すだけだった。
それを受けての今朝の親父の御幸への労りの雰囲気に、何だか甘ったるい空気になっていたと理解して、親父の観察は終了した。