この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
輪廻 ∞繰り返されるループ∞
第3章 4月2日
リビングからキッチンに行き、冷蔵庫の中身を確認する。
昨日の残り物を出してレンジにかけ、茶碗を出してご飯を盛る。
一般人の食事の支度は面倒だな。
そして、昼食をとった。
食事をするのだから、やはりアンドロイドではない。
食事も出来るアンドロイドは居るが、基本体内に保管し、後で廃棄する手間があるので、
1人でいるのに敢えて食事をすることはないのだ。
それならば、コンセントにソケットを差し蓄電することを優先するはずだ。
アンドロイドということは考えられない。
だけど、どこか御幸じゃない。御幸らしくない。
御幸なら昼食は必ずテレビの前のソファーに座り、『3R』のニュースがないかチャンネルをカチャカチャ変えながら食べる。
なのにこの御幸は、キッチンのカウンターでテレビを背にして食事しているのだ。
今朝の御幸と親父のやり取りのように、どこか御幸らしさがないのだ。
早送りして、親父が帰って来たところから見る。
親父ならすぐに違和感に気付くだろう。
酔った親父が帰宅する。
御幸が親父の後ろに回り、腕を支えて連れてきてソファーに座らせた。