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輪廻 ∞繰り返されるループ∞
第3章 4月2日
御幸はあんなことはしない、ふらふら歩いている親父など放って、
『お風呂に入れば?』
と勧める。
なのにこの御幸は
『熱いお茶でも入れましょうか?』
と甲斐甲斐しく親父の世話をしていた。
親父は優しくされて嬉しいのか違和感に気付かない。
ニヤニヤして隣に座った御幸の腰に手を回していた。
『そうだ、どうだった?』
『え、何が?』
『何がじゃないだろ、出掛けに調べとけって言っただろ?』
『え、何を?』
御幸は焦ってはいないが、親父の意図がわからないようだ。
『妊娠だよ。調べたか?』
『いいえ…』
『今すぐ調べて来いよ。』
『え、今ですか?』
『早く。』
御幸は寝室に行き、スティックを胎内に入れる。
《妊娠の確率0%》
ホログラムが光る。
94%だったのに妊娠していない?しかも0%?
排卵日のズレもあるから、妊娠していないことはあるが、逆にそれだけ高い確率なのに0とは表示しないはずだ。
やはり、御幸じゃない。
この女…
そして御幸はリビングに戻りさらっと親父に0%だと告げた。
『そんなことあるのか?昨日94%だったんだぞ?機械壊れてるんじゃないのか?』