この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
囚われの天使たち
第3章 拉致(2)

奈津子はまだ気絶していた。力のまったく入っていない体を、鉄輪に繋がれた両腕が雑巾のようにぶら下げている。

この部屋は相変わらず薄暗い。天井からぶら下げた懐中電灯のオレンジ色の光が、うっすらとコンクリートの床と壁を照らし出している。

昨日、この地下室をあとしてから、すでに丸一日が経つ。その間ずっと気絶していたとも思えない。きっとどこかで意識を取り戻し、再び意識を失ったのだろう。

男は奈津子に歩み寄り、髪を掴んで顔を挙げさせ、紫色の痣が残る頬を手のひらで叩いた。

「起きろ」

ペチペチと何度か叩く。やがて奈津子は目を半開きにした。そして男の姿を認めた途端に、またブルブルと震え始めた。まだ恐怖感は残っているらしい。

「今日は、おまえに1仕事してもらうぞ」

「し……しごと……?」

「そうだ。その前に、まずはこれを見ろ」

男は、ポケットから小さな鉄製の輪を取り出すと、それを床に落とした。カランカランと音を立てて、輪は転がった。奈津子は、一体なんだろうと言いたげな顔で輪を見つめている。

男は次に、ポケットから小さなスイッチを取り出した。それを奈津子に見せる。

「よく見ていろ」

男はスイッチを押した。その瞬間、床に転がった輪が青白く光り始めた。カナブンが飛ぶような音も聞こえる。

「このスイッチを押すと、この輪には電流が流れるんだ」

男はそう説明してから、スイッチから指を離した。輪の光は収まった。

「この輪をだな」

男は床から輪を拾い上げ、半分に割った。輪の1箇所に蝶番があり、その反対側に繋ぎ目がある。繋ぎ目を外すと蝶番を支点にして半分に開く仕組みだ。

「お前の首につけてやるよ」

/22ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ