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小さな灯りを消さないで…
第1章 500円の命
ガチャッ…

「ほら、香織!早くしなっ!!ったく、トロいなー。」

台所の小さな窓から、コッソリと様子を伺ったら香織ちゃんは、可愛い服装で母親に手を引かれ、歩いて行くのが見えた。

「さっきとは、全然違うな。言葉は、乱暴な母親だけど…。」

香織ちゃんの髪には、可愛いリボンが結んであって、あのまま大人になったら俺の好みの女の子になるかもと、おかしな事を考えた。

「…っと、バイトバイト!!」

慌てて仕度をして、バイト先に向かい、帰って来たのは9時を過ぎていた。

『キャハハッ…もーやーだー!!』

母親の高い笑い声に続き、珍しく…

『いいだろ?たまには…』

男の声がした。楽しそうな声の中には、香織ちゃんの声はなかった…

「もう9時だもんな。寝てるのか。」

パンッ…パンッ…

不意に玄関を叩く小さな音がし、出てみると…

「香織…ちゃん?なんで?」
「入ってもいいですか?」

小さな声を出し、俺を見上げる。
訳もわからず中にいれたが…

「香織ちゃん、だっけ?お名前。」
「うん…。秋山香織。」

適当なとこに座らせ、冷たく冷えたジュースを差し出した。

「ありがとう…お兄ちゃん。」
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