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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方
しかたがないのでカラオケボックスに移動して打ち合わせを続ける、小説家を志す二人。
歌いたそうにしている塾講師さんにもうひとつの宿題を見せて貰う。
それはプリントアウトされた、彼がこれまで読者からもらったコメントやレビュー、感想、メールの束だった。
活動期間数年で、しっかみっちり作品を書き続けていただけあってなかなかの量。
「じゃあ、それを全部分類しよう……塾講師さんのウリは何か、読者がこれまでの作品のどんなシーンやキャラに反応をくれて、何に感動や共感をしてるのか分析するんだ」
正直、この分量だとそれで一日終わってしまうかも、とは思ったが、それでもいい。
大事なことだ。作品の筋などはメールで打ち合わせたっていい。
しかし、こういうリサーチの意見交換は顔を合わせてでないとできない。
時間はかかったが、思ったよりも短くて済んだ。正味三時間ほどで読者の反応の一覧表を作り上げた。
「こうしてみると、アレっすね……バトルシーンよりは主人公への感情移入で支持されてるっスね、俺」
「そうだね。ライバルキャラとか脇役にも意見が多いから、キャラを描くのが上手いんじゃない? それか好感もたれるキャラを作れるっていうか」