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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方
「読者の反応は今表を作った通り、とても大事ではあるけれど、それに振り回されると作品がわけわかんなくなっちゃうから……テーマをきちんとしておくのは良いことだよ」
私は自分の信念を述べた。
本編執筆の最中にエモ投票を要求する作者など言語道断である。
あまつさえエロシーンで読者を釣ろうなどあさましいにもほどがある。地獄へ落ちればいい。
それはおくとしても、この作品持つテーマ性は面白そうだった。
簡単に答えが出ない所がいい。
例えば、バトルものといえば少年漫画だが、その最高峰あたりの超人気作、森川ジョージ先生の『はじめの一歩』。これもボクシングを題材としているが、そのテーマは「強いとは何か?」だ。
テーマそのものが疑問形。
こうなると作品内の主人公は、答えを求めて動くしかなくなる。サイドキャストやライバルたちも「様々な強さ」を表現するために自然と個性的になっていく。単に「強さ」がテーマだとそうはいかない。疑問形のテーマを持つ作品は主人公を中心として展開がさせやすい。
そして、この作品について言えば、W主人公だ。そしてそれぞれが男になり、女になりして「男と女、強いのはどっちだ?」とやるのだ。
それが上手く伝われば読者も読みながら考えることになる。答えを知りたくなる。
しかし、男、女、一方だけから描かない(描けない)ので答えがなかなか出ない。最後まで読むしかなくなる。