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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方

仮面をかぶろう。
変な奴と呼ばれないようにしよう。

みんなが同じ言葉を話せばだれもが安心するんだよ。

でも、ぐるぐるぐるぐる。
頭の中の言葉はどうやって捨てればいいの。

ご本を読めばいいんだよ。
ご本の中には言葉だけがある。

ご本の中の人たちは僕を嗤わない。叩かない。
それどころか勇気づけてくれる。励ましてくれる。笑わせてくれる。

ご本の中の人たちが僕に流させる涙は苦痛とは違う。

僕は本にのめり込む。
もしかしたら、この中には正しい言葉があるのかもしれない。
よく探せば見つかるのかもしれない。

だって、こんなに言葉が並んでいるんだもの!
きっと見つかるはずだよ。

もし勇気があれば。

言葉を捨てずに、ご本の中の人のように誰かを勇気づけたり、励ましたり、笑わせることができる。

ご本の中の人のように、自分のためじゃなくて、誰かの為に涙を流すような人に。
ご本の中の人のように、自分のためじゃなくて、誰かの為に怒りを露わにするような人に。

いつか僕も、なれるのかな。

もし勇気があれば。
言葉を知っていれば。

せんせいやめてっていうことができていたなら。
せんせいはモンスターなんだっていうことができたなら。

痛み、苦しみ、優しい笑顔。女の人。

その境界はいつも曖昧で、常にひとつの塊のようになって。
僕に、訪れていたんだ。











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