この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
仕事終わりは癒しの時間
第10章 ご褒美
「茜さんの髪の毛、サラサラしてるなー」
「えっ?」
撫でていた手はいつの間にか、毛先に移動して指先に髪の毛を絡ませていた。
「ちょっと!」
「ふふっ、可愛い!」
悪戯っ子のように笑う彼に少しドキッとした。
「可愛いって言うけどさ、どこらへんが?自分で言うのアレだけど、綺麗って言われることの方が多いんだけど…」
「んー、眼鏡外してる時の印象が強いんかな?クールなイメージやけど、眼鏡外したら幼くなって可愛いっていうギャップ?ライブで着てた服も可愛かったし」
カチャッ…
いきなり眼鏡を外された。
「ちょっと、返してよ!」
「仕事じゃないんやから外しとこうよ。コレ無くても見えるんやろ?」
「んー、まあ」
「俺は眼鏡掛けてない方が好きやな」
『好き』
その言葉に心臓がドクンと波打った。
告白の言葉じゃないのは理解しているのに、なんで…こんなにドキドキするんだろ…。
これまでの胸のときめきとは違う何か…。
さっきまで普通に目を合わせていたのに、何故か恥ずかしくなって目線を下に向けた。
なんで…。
「俺と居る時は眼鏡外しとくこと。分かった?」
「はい…」
「あれ、ちょっと素直。焼けたからまた食べよ」