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仕事終わりは癒しの時間
第10章 ご褒美

「茜さんの髪の毛、サラサラしてるなー」
「えっ?」

撫でていた手はいつの間にか、毛先に移動して指先に髪の毛を絡ませていた。

「ちょっと!」
「ふふっ、可愛い!」

悪戯っ子のように笑う彼に少しドキッとした。

「可愛いって言うけどさ、どこらへんが?自分で言うのアレだけど、綺麗って言われることの方が多いんだけど…」
「んー、眼鏡外してる時の印象が強いんかな?クールなイメージやけど、眼鏡外したら幼くなって可愛いっていうギャップ?ライブで着てた服も可愛かったし」

カチャッ…
いきなり眼鏡を外された。

「ちょっと、返してよ!」
「仕事じゃないんやから外しとこうよ。コレ無くても見えるんやろ?」
「んー、まあ」

「俺は眼鏡掛けてない方が好きやな」

『好き』
その言葉に心臓がドクンと波打った。
告白の言葉じゃないのは理解しているのに、なんで…こんなにドキドキするんだろ…。

これまでの胸のときめきとは違う何か…。
さっきまで普通に目を合わせていたのに、何故か恥ずかしくなって目線を下に向けた。
なんで…。

「俺と居る時は眼鏡外しとくこと。分かった?」
「はい…」
「あれ、ちょっと素直。焼けたからまた食べよ」



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